テニス肘、ゴルフ肘の考察と改善方法
テニス肘、ゴルフ肘と言いますと皆様も聞いたことがあるかと思います。
しかしながら、テニス肘やゴルフ肘という病名は、整形外科などで診察を受けた時に言われる病名で、いわゆる総称です。
何が言いたいかと言いますと、整形外科などでいわゆるテニス肘やゴルフ肘と診断を受けても、何が原因かを特定されていない場合が多いです。
レントゲン撮影を行い、変形性関節症や骨棘、関節ネズミ、筋肉内へのカルシウム沈着などや骨に異常が見られなければ、肘の筋肉の付着部にシップか痛み止めの注射をされて終わりで、大抵の整形外科ではそれ以上の追及は無いのではないでしょうか。仮に骨に問題が生じていても、特段何もしてもらえないと思います。そうゆう訴えの患者さんが多く来院されます。まあサポーターを買わされるぐらいですかね。エルボーサポーターで筋腹をベルトで締め付けるタイプの物は、言い換えれば、筋腹の一部を締め付ける事で、そこに仮の新たな筋付着部を作る様なものですので、内外側の関節上顆への反復刺激が軽減しますので、一定の効果を得ることが出来ます。トレーニングにおける肘の痛みにも使用する事が出来ますし、初期ですと、これにより痛みの軽減や回復を出来る可能性はあります。しかしながら、負担がかかる様な関節構造に変容している場合は、まず必ず再発してしまいますので、このような関節の問題におきましては、カイロプラクティックによる関節の可動性や歪みを改善させるマニピュレーションで大きな痛みの改善、生活の質の向上に寄与できると思います。
軟部組織の問題を深堀しますと、上腕骨の内外側の関節上顆に付着している多種多様な筋肉を反復して使いすぎる事による筋付着部の炎症疾患であるわけですが、名称としては、内側の痛みがあれば内側上顆炎、外側の痛みであれば、外側上顆炎と呼ばれます。内側の上顆炎に関与する筋肉は、関節の動きで言いますと肘の屈曲や手首の掌屈、前腕の回内の動きになりますが、テニスで言うとフォアハンドでの障害、ゴルフで言うとインパクトの瞬間の衝撃か手首を返しすぎる行為、振りぬいた後のフォロースルーの手首を巻き込む衝撃による障害となります。外側上顆炎に関与する筋肉は、関節の動きで言いますと肘の伸展や、手首の背屈、前腕の回外の動きになりますが、テニスで言うとバックハンドでの障害、ゴルフで言うとインパクトの時に前側の手を返してスライス気味に打ってしまうとかで起きてしまいますね。ですので、テニスでもゴルフでも同様の場所を痛める事があると言うわけです。要するに痛みを訴える患者さんがテニスをしていればテニス肘、ゴルフしていればゴルフ肘という感じです。しかしながら、料理でフライパンを振る等でもよく上顆炎は生じますので、まさに通称ですね。
下記に前腕の筋肉については、詳しく書きますが、前腕のどの筋肉の問題が起こっているのかを評価分析しなければ、細かい治療は出来ませんので、手首の動きで痛いのか、指の動きで痛いのか、回内外で痛いのか等で、どの筋肉が障害されているのかの分析が必要という事です。カイロプラクティックでは、治療の前段階で、筋関節の機能評価に力を注いでいます。当然、肘関節の機能障害、歪みに対応出来るのはカイロプラクティックが一番だと自負しております。
肘の障害と言いながら、内外側の上顆炎は手首の動きによる障害が多い疾患ですが、肘であれ手首であれ、カイロプラクティックでは、筋肉への癒着除去テクニックや関節マニピュレーションによって、より安全に大きな改善の効果を出す事が可能です。
テニス肘・ゴルフ肘の主な原因
- 肘関節の変形によるもの
- 骨棘の発生によるもの
- 筋肉へのカルシウム沈着によるもの
- 靭帯の断裂や癒着、炎症によるもの
- 肘関節、上下橈尺関節のサブラクセーション(歪み)によるもの
- 肩関節・手関節などのサブラクセーションによるもの
- 関節包の癒着によるもの
- 過度な反復動作
テニス肘・ゴルフ肘が及ぼす身体症状
- 肘、手関節の可動制限
- 手首の動作での痛み
- 痛みによる睡眠障害
- 自律神経失調症
- 生活の質の低下
- 食欲不振
- コップを持つ、頭を洗うなどの動作での痛み
テニス肘・ゴルフ肘は関節の歪みや前腕の筋肉の癒着の様な比較的治療しやすい症状から発熱するような強い炎症を伴う骨棘やカルシウム沈着の様に難治性のものがありますので、鑑別診断が非常に大切になって来ます。しかしながら多くのテニス肘・ゴルフ肘はカイロプラクティック治療により改善させることが可能です。
テニス肘・ゴルフ肘に関与する主要組織
影響を及ぼす関節組織
- 肘関節
- 上橈尺関節
- 下橈尺関節
- 肩甲上腕関節
- 手関節
- 手根骨間関節
影響を及ぼす筋肉組織と神経組織
- 腕橈骨筋(橈骨神経)外側上顆側
- 肘筋(橈骨神経)外側上顆側
- 円回内筋(正中神経)内側上顆側
- 回外筋(橈骨神経)外側上顆側
- 橈側手根屈筋(橈骨神経)外側上顆側
- 長掌筋(正中神経)内側上顆側
- 尺側手根屈筋(尺骨神経)内側上顆側
- 尺側手根伸筋(橈骨神経)外側上顆側
- 長橈側手根伸筋(橈骨神経)外側上顆側
- 短橈側手根伸筋(橈骨神経)外側上顆側
- 浅指屈筋(正中神経)内側上顆側
- 総指伸筋(橈骨神経)外側上顆側
テニス肘・ゴルフ肘はこのように多くの組織が関与しています。特に前腕の筋肉が大きく関与していることが多く、癒着の除去や橈尺関節の調整などで大きな改善を見ることが出来ます。しかしながら、関節の変形などが進んでいる場合は、治療にも時間がかかり、改善まであきらめずに来院頂くなどの、患者様の努力と協力も必要になってきます。
テニス肘・ゴルフ肘の改善治療
治療を行う前に重要な事
問診の重要性
問診で多くのことが分かってきますので、ご自身で関係ないと思われることも気兼ねなくお話し下さい。
鑑別診断の重要性
パソコン業務が多い方や、私たちのように指を酷使するような職業の方も、罹患することがあります。手根管症候群、腱鞘炎、ばね指と呼ばれるものもこのような傷害の一疾患となります。
さらに前腕を回旋させる筋肉の過剰負担によって痛みや神経の圧迫によりしびれを起こすこともございますので、頚椎疾患での痺れとの鑑別が重要です。
テニス肘・ゴルフ肘の改善治療例
しかしながら、患者様一人ひとりの状態が違いますので、すべての方にこのような検査、施術を行うわけではございません。あくまでも一例です。
下記のテストは、指にストレスをかけることによって、肘の痛みを確認しています。
このテストで内側上顆炎の有無が判断できます。外側上顆炎の場合は逆に手の甲側にストレスをかけます。どの指で痛みが出るかで、細かい筋肉の鑑別をします。
それにより筋膜の施術(ニモテクニック)やアクティブリリーステクニック、ティッシュプルテクニックの時に、的確に施術することが出来ます。
前腕の筋肉はとにかく数が多いので、把握するのは大変ですが、筋膜の除去や血流の改善は大いに効果を発揮します。
肘の内側外側の傾きを整えるテクニックです。
テニスやゴルフなどでの過剰使用により歪みがきつくなると、付着している筋肉に対して過度な負担がかかり、内側及び外側の腱に負担がかかり炎症を起こしてしまいます。このテクニックは肘の疾患に大きな効果を発揮しますが、非常に難しいテクニックですので、多くの修練が必要です。
このような四肢のテクニックは短期教育者では習得出来ておりませんので、お気を付けください。
肘の過度な回外への捻じれを橈骨を使い補正するテクニックです。
回旋の歪みにより、神経の通り道となる筋肉(回内筋)が引き延ばされたり、回外筋が短縮により硬化し前腕の痺れを生じることがございます。その改善を図ります。
前腕の回内運動を起こしながら、歪んだ橈骨を調整するテクニックです。
手根管症候群の治療テクニックです。
手根骨の月状骨の前方変位によって正中神経が圧迫され手に痺れをきたした方に対するテクニックです。現症再現のテストも兼ねております。
月状骨を正しい位置に戻すことで圧迫を取り除きます。
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テニス肘、ゴルフ肘の臨床報告は肘の痛みの改善治療日記をご覧ください。
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