頭痛・偏頭痛の考察と改善方法
頭がズキズキする事を総称する頭痛ですが、様々な発生原因や特徴があります。肩などの筋肉の緊張から発生する筋緊張性頭痛・光や匂いを強く感じたり、視野の欠損などの前兆から起きる前兆性の偏頭痛・バットで殴られたような痛みを感じる群発性頭痛・脳出血などに脳血管性の頭痛など多岐に渡ります。頭痛を考察し改善方法を考えていきたいと思います。
頭痛・偏頭痛の主な原因
- 首肩の筋肉の凝りによる筋性のもの
- 生理痛に伴うブラジキニン性のもの
- 低気圧の影響による血管性のもの
- ストレスや光などの刺激で視覚野が興奮し三叉神経に影響を与えたもの
- 眼の使い過ぎで前庭頚反射が生じたもの
- 脳出血や脳梗塞に伴うもの
- チョコレートや砂糖などの刺激物によるもの
頭痛・偏頭痛が及ぼす身体症状
- めまい
- 視覚の異常
- 肩こり
- 自律神経失調症
- 食いしばり
- 食欲不振
- 不眠
- 嘔吐
- ろれつが回らない、手足の感覚異常
頭痛・偏頭痛は筋性頭痛の様な比較的治療しやすい症状から前兆症状を伴う偏頭痛の様に難治性のもの、さらに脳の血管の障害による命に関わる様なものなど幅広く症状がございますので、鑑別診断が非常に大切になって来ます。しかしながら多くの頭痛は治療により改善させることが可能です。
頭痛・偏頭痛に関与する主要組織
影響を及ぼす関節組織
- 環椎後頭関節
- 頸椎関節
- 顎関節
- 頭蓋骨縫合
影響を及ぼす筋肉組織と神経組織
- 帽状腱膜(顔面神経)
- 前頭筋(顔面神経側頭前頭枝)
- 後頭筋(顔面神経後耳介神経後頭枝)
- 側頭頭頂筋(顔面神経側頭枝)
- 咀嚼筋(下顎神経)
- 外眼筋(動眼神経、滑車神経、外転神経)
- 後頭下筋群(後頭下神経)
- 大後頭神経と三叉神経
- 浅側頭動脈
- 板状筋(頚神経)
- 僧帽筋(副神経、頚神経叢)
- 斜角筋(頚、腕神経叢)
- 肩甲挙筋(肩甲背神経)
頭痛・偏頭痛はこのように多くの組織が関与しています。特に頭部の筋肉が大きく関与していることが多く、肩からの筋性頭痛だけでなく、浅部の血管や頭全体に広がる筋膜などを治療する事が大切です。後は自律神経の影響も大きく受けますので幅広い知見が必要となります。
筋性頭痛においては肩の血流改善が重要なので、効果的なトレーニングなどをお教え致します。
頭痛・偏頭痛の改善治療
治療を行う前に重要な事
問診の重要性
問診で多くのことが分かってきますので、ご自身で関係ないと思われることも気兼ねなくお話し下さい。
鑑別診断の重要性
頭痛・偏頭痛の改善治療例
しかしながら、患者様一人ひとりの状態が違いますので、すべての方にこのような検査、施術を行うわけではございません。あくまでも一例です。
筋緊張性頭痛の治療
慢性頭痛の治療
僧帽筋の付着部、後頭部から帽状腱膜や深部の硬膜などの緊張部分に、持続的な押圧を加える事で硬膜や筋肉の弛緩させるテクニックです。
施術者の繊細な指先の感覚により行うことが出来ます。前庭頚反射などの過剰反応などの改善も図れ、視覚の改善にも寄与します。施術後に世界が明るくなったなどの感想を言われる患者様が多いです。眼の奥に痛みなどを抱える患者様にも効果的です。
当然、頭部自体の緊張も取り除くことが出来ます。前額部、側頭部、後頭部の筋肉を施術していく事で頭頚部だけでなく身体全体の緊張を取ることが可能です。
それにより脳脊髄液の流れも良くなり、偏頭痛や慢性頭痛の改善も図れます。
顎関節由来の頭痛の治療
顎関節症や食いしばりなどがある方は咬筋や側頭筋の緊張が高まったり、片方ばかり使う事によってバランスが崩れる事で、頭痛の原因となります。主に側頭部の痛みを訴える方が多いですが、そのような場合は、顎関節の施術と関連して行っていきます。さらに顎関節は三叉神経は三叉神経の支配領域ですので三叉神経の刺激における偏頭痛も改善が図れると考えております。
私は顎関節の施術は多くの症例により独自の施術法を編み出し得意としております。食いしばりに関しては自律神経のバランスや脳の癖に陥っている場合もございますので、解除する方法を伝授いたします。
ストレートネックによる頭痛・偏頭痛・低気圧性頭痛(血管拡張型天気痛)の治療
頚椎の可動性なども頭痛の症状の一因となりますのでチェックし施術していきます。最近ですとスマホやパソコンのやりすぎによるストレートネックになってしまい、頭部の位置が重力線を逸脱し、頸椎に多大な負担がかかった状態で、頸椎が可動性を失い、そこから頭痛に発展する事が多いです。
さらに 頸椎の歪みを取ることで自律神経の安定を図るだけでなく、脳血管の流れを正常化し、整える事で急激な血管の拡張を予防し低気圧性頭痛の改善を促します。
必然的に血管拡張における三叉神経の圧迫も緩和し偏頭痛を予防する事が出来ます。
頸椎の可動性を正常にする治療はきちんと整体力学に沿って適切に行いますので、危険はございません。
急激な回旋を加えるなどの施術は行いません。ご安心ください。
天気性頭痛(後頭神経痛)・偏頭痛の治療
後頭部から前頭部にかけてや耳の後ろから派生する頭痛を後頭神経痛と言いますが、特徴として雨の降る前に起こり、雨が止むと治まるので天気痛の一種と考えられています。原因としては、最近多くなっているスマホの見過ぎや、姿勢の悪化、偏ったパソコン画面の見方などの影響により大後頭神経・小後頭神経・耳介神経などが後頭骨と頸椎の間で圧迫されたり、引っ張られて起こることが多いです。
そこで頸椎と後頭骨の牽引の治療や、頸椎の歪みを取ることで後頭神経の出入り口の圧迫を取り除く治療を行い改善に導きます。
大後頭神経は偏頭痛の原因となる三叉神経とのリンクが考えられますので、大後頭神経を治療する事で、三叉神経への刺激を緩和し偏頭痛の改善も図ることが出来ます。
天気性頭痛の症例は天気性頭痛の改善治療日記をご覧ください!
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